アーチトップやカーブドトップという弦楽器の構造は元々はヴィオール〜バイオリン族のものだった。
19世紀後半、米国家庭楽器としてフラットマンドリンが流行した。
ヨーロッパのラウンドバック(テイターバック)スタイルのマンドリンがアイルランド移民経由でアメリカに渡り、フラットトップ+フラットバックのうちわ型形状になったのがフラットマンドリンだ。
20世紀初め、Gibson社の創業者、Orvile Gibson氏が、フラットマンドリンにカーブドトップ構造を取り入れた。
Gibson製のフラットマンドリンはかなりの台数が出荷され、米国ではフラットマンドリンの方がラウンドバックよりもスタンダードになった。
その後、1920年代にLoyd Loarという人物がバイオリン族のF型のサウンドホールとブレイシングをGibson社のフラットマンドリンに組み込んだ。少し遅れてギターにもこの構造と製法を取り込んで製作したのが有名なL-5モデルのギターだ。
というわけで、カーブドトップ・ギターは、構造や設計の面でフラットマンドリンをルーツにしている。