1938 Gretsch Model 35 Orchestra Guitar
1933年に、Gretsch社はGibsonのLシリーズ16インチギターを模倣して幾つかのギターモデルを発売した。その中でも中価格帯のModel 35は人気があったようだ。
発表当初は普通の3トーンサンバーストで塗装されたが、すぐにこのようなバイオリンサンバーストと呼ばれる独特の塗装に変更された。
また、Gretschの戦前のシリアルナンバリングについては詳細な資料が無い状態だが、1939年製のModel 35で#2492というものが存在しており、このギターの#4339はシリアルが前後している。もしかすると、1940年代に古いパーツを集めて組み上げられた楽器かもしれない。なぜならModel 35は1939年に製造中止され、後継としてSyncromaticシリーズが販売されたという記録が残っているからである。また、1939年の最終型Model 35のF穴はSyncromaticシリーズと同様の丸みを帯びた大きいものに変更されたようだ。あるいは、1940年代にカスタムオーダーされた一台かもしれない。