1934 Sorrentino Master Guitar “Luxor”
正式には1935年からシカゴのChicago Musical Instrument Co. (CMI) の製品として販売された「Sorrentino」と「Howard」というギターブランドは、ニューヨークのEpiphone社がOEMで製造したものであった。Epiphone製ではあるが、かなりGibsonのデザインを取り入れたものであったようだ。
Sorrentinoには本家Epiphoneと同じグレードが各モデルに設定されており、このLuxorは当時のトップオブザラインのDeluxeと同じグレードで同価格であった。
ここで紹介する楽器は、ジャンク同然であった個体に対して入念なレストア作業が行われ復活した現役のギターだ。
レストアの過程でかなりグレードの高い木材が使われていることが分かり、杢目が見えるようにナチュラル仕上げにリフィニッシュされたが、発売時のSorrentinoは全てサンバーストだった。
販売数もそんなに多くないと思われるSorrentino、特にこのLuxorは現役で演奏されるギターとして貴重な一台となっている。
- Epiphoneで作られたのに、F穴がGibsonぽい。
- かなりグレードの高いフレイムド・メイプルを贅沢に使用している。
- ペグヘッド裏の突板は黒染メイプルではなく、ハカランダ。
- セルロイドや酢酸ビニールあるいは塩ビではなく、エボナイト素材で作られたピックガード。Sorrentinoのトップオブザラインらしく、寄木細工が入った豪華なバイディングも特徴。
- Gibsonのブランコタイプによく似ているが、よく見ると全く違うデザインだ。
- 当時にしては内装のボアの毛足がかなり長いデラックスなケース。