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Most Famous L-5

アコースティックのGibson L-5で弾かれた曲として、たぶん最も有名な曲はOriginal Carter Familyの「Wildwood Flower」だろう。

この曲は、1928年5月10日に義兄A.P. Carter(vo)、実妹Sara Carter(vo, ah, g)、Maybell Carter(vo, g)のトリオで初録音している。この録音で、買ったばかりの1928年製16インチL-5が使われている。
この曲のイントロや間奏で弾かれる、俗にいうところのカーターファミリーピッキングのソロギターが、それまではフィドルやバンジョーが主役だったカントリー・ミュージックの世界で、ギターを一躍主役にした。そして、現在でもアコースティックギターの入門曲としてアメリカでは誰もが学ぶ曲となっている。

この映像は1950年代中頃のもので、Maybell Carterと彼女の娘たちで組んだCarter Sistersの演奏だ。この時代に、すでにテイルピースとペグが交換されている。

後方で弾かれているL-5はおそらく1940年代後半のものと思われる17インチモデルでMaybellの16インチとの対比が面白い。

1928 Gibson L-5 previously owned by Mother Maybell Carter

www.gruhn.comから写真を転載。

このギターを弾いたMother Maybell Carterがカントリー・ミュージックを産んだというのは有名だ。

1927年のBristol録音のギャラで一番高いギターを買うことにして、このギターを新品で買ったとのこと。当時南部で一般的だったMartinのトップオブザラインよりも高かったということが分かる逸話だ。

Maybellの死後、ナッシュビルのグルーン・ギター・ショップが$575,000で人手に売るまでは、60年近くワンオーナーの現役の楽器としてショービジネスの最前線でMaybellが演奏した。
長きに渡る現役楽器として何度もリペアや調整が行われたことは想像に難くない。消耗の激しいパーツ類は都度最新のものに換装されたようだ。